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西山順博先生に訊きました 『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第13回

その他投稿日時-(2018-11-21)ナースマガジン


必須ミネラルのはたらき③
ナトリウム(Na)

今回取り上げるのはナトリウム(Na)。
体液含有量は血圧をはじめ全身状態に影響を与えるため、食品に含まれるナトリウム量、そしてその濃度を左右する水分摂取量にも注意しましょう。

ナトリウムとは?

ヒトの必須ミネラルの一つで、体液中にナトリウム塩として存在しています。血中濃度が濃くなるとそれを薄めるために水分を血液中に引き入れるため、血液量が増え血圧が上がります。また、末梢血管を収縮する作用によっても血圧が上がり、心臓への負担となります。
ナトリウムが不足すると、浸透圧が下がり、体液の水分が細胞に移り浮腫の原因となります。
この濃度の調整は腎臓で行われ、常に0.9%に保たれています。

ナトリウムのはたらき

①神経の刺激を感じてスムーズに伝達する
②筋肉の弾性を維持する
③消化液や分泌液に対して、pH調整機能を発揮する
④浸透圧や生体槻能を調整する

ナトリウム量と食塩量の関係

食塩は、ナトリウム(Na)と塩素(CL)が結合してできています。
結合する比率は必ず一定なので、ナトリウムもしくは塩素量がわかれば食塩の量を計算できます。栄養成分等の表示にある食塩相当量とは、食品に含まれているナトリウム量を次の計算式で換算した値です。

ナトリウム(mg)x2.54÷1.OOO=食塩相当量(g)

ナトリウムの過剰と欠乏

過剰:高ナトリウム血症は、腎機能の低下が原因となることが多く、主要症状は口喝です。
その後、神経症状(興奮、痙攣、昏睡など)が出現します。欠乏:急性の下痢や嘔吐でナトリウムが排出されてしまうと、低ナトリウム血症を招きます。
主要症状は、軽度では嘔気、脱力感ですが、重症になると痙攣、錯乱、昏睡を引き起こします。

食事で気をつけたいナトリウム(食塩)摂取

ナトリウム(食塩)を摂り過ぎる食生活は、高血圧や食道がん、胃がんなどの発症率を上昇させ、様々な生活習慣病を招く恐れがあります。日頃から「うす味」の食生活に切り替え、食塩摂取量を減らしていきましょう。調味料や加工食品にも多く含まれるので、注意が必要です。
まずは、かけしよう油やかけソースなどの量を控える、めん類の汁を飲み干さない、などから始めてみるとよいでしょう。
なお、カリウムとナトリウムは一定の濃度に保たれるようになっており、ナトリウム過剰で高血圧になっている場合は、カリウムが多く含まれている海藻などを摂ると過剰な分が排泄され、血圧が安定しやすくなります。


水分補給のポイント

私たちのからだの半分以上は水分でできています。水は主に筋肉に蓄えられているので、低栄養状態で筋肉量が減ると十分な水分を蓄えることができません。
また、運動をしていなくても、呼吸や汗などにより1日に1.000m1ほどの水分を失っています(これを不感蒸泄といいます)。
水分不足から脱水を起こさないよう、上手に水分を補給して体内に蓄えましょう。

必要水分量と補給法

1日に必要な水分量は年齢・性別・体脂肪量によっても違いますが、実測体重×25~35ml程度とされています。一度に大量に摂ると排泄されてしまうので、少しずつこまめに摂るのがコツです。
経管栄養を行っている場合、経腸栄養剤の量=水分量と勘違いざれていることがあります。
1.Okcal/1mlの製剤では約85%、高濃度の1.5kcal/1mlの製剤では約78%しか水分は含まれていません。必要水分量に対して不足する水分を追加する必要があります。
また、夏の暑さや入浴による発汗など、些細なことでも脱水になることがあります。さらに熱発で汗をかいたり、下痢や嘔吐が続けば、当然脱水のリスクが高くなり注意が必要です。

脱水症チェック

脱水症状のアセスメントとして、以下のような症状があったら医師に相談しましよう。

経ロ補水液(ORS: Ora| Rehydration Solution)で脱水補正

嘔吐や下痢があり、重度な脱水状態に陥った際、病院では点滴で水分を補いますが、軽度の脱水は経口的な水分補給でも改善できます。ただし、水分のみを大量に摂ると、水中毒から低ナトリウム血症を生じることもあるため、塩分補給も必要です。
そのために開発されたのが、経口補水液(ORS)で、次のような配合で自宅でも作ることができます。 水1000ml+塩3g(小さじ0.5杯)+砂糖40g(大さじ4.5杯)

好みによりレモン、カボスなど柑橘系の果汁、市販の濃縮レモン果汁などのクエン酸を加えると口当たりがよく飲みやすくなります。
また砂糖よりも甘さを感じやすいハチミツを使用するときは、砂糖の半量~1/3程度が目安です。
(注:1歳未満の乳児にハチミツは禁止です!)。

参考文献:
1)板倉広重監修:医科栄養学 建帛社 2010初版 
2)ミネラルの教科書 http://mnrltext.jp/b01na.html
3)簡単!栄養andカロリー計算 http://www.eiyoukeisan.com/


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