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ナースマガジン vol.37

聴きある記:第18回 在宅医療推進 フ ォ ー ラム

投稿日:2023.04.17

日本在宅ケアアライアンスは2015年に設立され、在宅ケアにかかわる専門職・学術団体等による多職種の連合体として、 ①ケアの質の向上及び普及②連携における課題の共有と解決③関連団体のネットワーク化と協働的取り組みの推進を目指して活動している。 「在宅医療推進のための共同声明」 には毎年11月23日を 「在宅医療の日」 とし、フォーラムを開催すると明記されている。

本年は「コロナパンデミックという試練を機に新たな役割を担うことになった在宅医療の未来を、原点に立ち返って語り合う」 という主旨で、 「やっぱり最高!わが家・わが町〜在宅医療の未来を語ろう〜」をテーマにハイブリッド形式で開催された。 当日のプログラムから抜粋して紹介する。

会 期:2022年11月23日(水・祝)

会 場:東京ビッグサイト(およびYouTube配信)

テーマ:やっぱり最高!わが家・わが町
    ~在宅医療の未来を語ろう~

基調講演Ⅰ 在宅医療の現状と課題

榎本健太郎氏
(厚生労働省医政局長)
 在宅医療・介護の連携、医療提供体制をめぐる課題として、 ①新型コロナ対応②2040年を見据えた人口構造の変化への対応がある。 各地域で有効に機能している在宅医療地域連携モデルがある。 厚労省では都道府県・市町村に対して、 提供体制の構築に向けた技術支援、 財政的支援を地域のニーズに応じて行っている。 現在、 ワーキンググルーを立ち上げ、 ①在宅医療の提供体制②急変時、 看取り、 災害時等における在宅医療の体制整備③各職種の関わりについて検討を行っている。

基調講演Ⅱ 在宅医療の原点から学ぶもの

黒岩卓夫氏
(NPO地域共生を支える医療・介護・市民全国ネットワーク名誉会長)
 盲目の旅芸人「越後瞽女」に在宅・訪問ケアの原点があった。 家での家族的ケアの質を高め、家族で看取ることの素晴らしさを認識する必要がある。 ①医師はケアの専門家であると同時に、地域の文化・歴史を学び、元来看取りは地域文化であることも心得てほしい②医療者は在宅医療の価値を高め、在宅医療と看取りを語ろう、 と結んだ。

特別講演 社会文化としての在宅ケアー医療を超えてー

山崎章郎氏
(ケアタウン小平クリニック名誉院長)
 キューブラー・ロスの「死ぬ瞬間」を読み、そこで描かれている自宅で家族に囲まれて死ぬということに衝撃を受けた。 聖ヨハネホスピスで終末期ケアに携わり、 その後1年の休職を経て2005年より多職種により構成されるホスピスチームが地域に出ていく活動を始めた。 緩和ケアは医療でもあり、看護でもあり、 介護でもあり、 福祉でもある。 緩和ケアは自力では人間としての尊厳を守ることが難しい状況にいる人々の尊厳を守るあり様である。 この「緩和ケアは「在宅ケア」 に置き換えることができる。過去も現在も、 我々の取り組みの核心は「人間の尊厳をどう守るか」 であり、 未来の在宅ケアの取り組みもそうである。

(ニュートリション・アルファ 西谷誠)

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