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望月 弘彦先生の胃瘻(PEG)ケアコラム第2回

第2回 PEGからコップ一杯の水を 

今年の夏も暑くなりそうです。しかも、電力不足が懸念され、節電のためにクーラーの使用もためらわれる雰囲気です。

日本在宅医療学会で名古屋に行ってきましたが、学会場も例年よりも蒸し暑い感じでペットボトルが手放せませんでした。

学会では、PEG管理での地域連携、HPNなどについて各地での取り組みが紹介されていましたが、一つ心に残った言葉がありました。

うろおぼえですが、「経管栄養剤で少し足りないなと思ったら野菜ジュースなどを追加してあげればビタミンやミネラルの補給にもなる」といった内容でした。


経腸栄養時の必要水分量は1kcalあたり1mLですが、経腸栄養剤に含まれている水分は1mlあたり1kcalのもので約80%、2kcalのものだと約60%のため、不足する分は経管栄養前や注入後、食間などに追加する必要があります。

しかし、いつも同じ量でよいのでしょうか?気温が高くて汗をかいているときや入浴後などは自分で水を飲める方であれば、のどの渇きを覚えてコップ一杯の水を飲むことと思います。

これから暑い季節に向かっていきます。

口の中や脇の下が乾いていたり、尿が濃縮しているといった脱水症のサインを見逃さないことはもちろんですが、その前に、汗をかいていたり、入浴後などにPEGからコップ一杯のお水を追加してあげる心遣いが大切です。

また、通常であればお水の投与でも良いですが、多量の発汗時や発熱、下痢時などには塩分の補給も考える必要があります。そんな時には経口保水液(ORS)を用います。

大塚製薬工場がOS-1を販売していますが、すぐに手に入らない時は自宅で作ることもできます。

「水1リットル に上白糖40g(大さじ4と1/2杯)、塩3g(小さじ1/2杯)を溶かし、グレープフルーツなどの果汁を加えることによりORSを作ることができます。」
グレープフルーツジュースは薬剤との相互作用の危険性があるので、オレンジジュースやリンゴジュース、無塩のトマトジュースなどを用いた方が良いかもしれません。これは、もちろん経口摂取も可能です。

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