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ニュートリション・ジャーナル NUTRITION JOURNAL " 理解なき支援が「溝」を生む" Vol.03_その1

その他投稿日時-(2018-04-27)ナースの星編集部


増えるサ高住、食事の実態は?


近年、建築が急激に進んでいるサービス付き高齢者住宅(以下、サ高住)は、生活に不安を持つ一人暮らし高齢者の住まいの主流になるといわれている。 一方、しばしば問題とされる高齢者の低栄養や嚥下障害への対応は、医療的ケアや看取りの問題も絡み、介護スタッフの不安や悩みの要因になることも多い。
高齢者の楽しみともいえる「食事」を安全に提供するための取り組み実態を、調査結果※を参考に探る。

※調査主体:ニュートリー株式会社、協力:メディバンクス株式会社により、2017年10月~11月に、全国のサ高住を対象に行われた「食事サービスと栄養ケアに関する実態調査」。
6500施設中185件からの回答を得た(回答率2.8%)。

高齢のため入居
加齢のため退去

2017年秋、全国のサ高住施設長を対象に「食事サービスと栄養ケアに関する実態調査」(以下、本調査)が行われた。
サ高住の入居者は自立が中心といわれているが、医療依存度や要介護度の高い入所者の受け入れや看取り対応も行う施設が増えてきているためか、本調査の結果では、要介護度1~2が約42%、3~5が約33%と、思いのほか介護保険の対象者は多かった(図1)。

ここで注目したいのは、入居者の"退去理由"である。回答時から直近1年間の退去理由を尋ねると「死亡」、「持病の悪化」、「介護度進行」の順に多かった(図2)。

実際、サ高住からの退去後は「療養型医療施設」、「介護保健施設」へと移り住んでいた(図3)。

飲み込み状況を重視した個別の食形態

本調査では回答施設の99%が「食事サービス」を提供しており、95%が「入居者の食事状況を観察している」と回答していた。
入居者の嚥下機能低下に対応するため、食形態の個別調整の"必要性"があるという結果も出ている。利用者の摂食・嚥下機能に合わせ、「普通食」、「きざみ食・極きざみ食」、「ペースト食・ミキサー食」、「やわらか食」と食形態を個別に調整していた(図4・5)。

食事中の観察ポイントは、「むせ・咳こみ」など飲み込みの状況を重視していた(図6)。

近年、加齢や脳血管疾患などによる嚥下障害について、マスメディアが警鐘を鳴らしていることもあるためか、窒息や誤嚥、さらには誤嚥性肺炎予防といったリスク回避の意識を介護スタッフらも持っているようだ。
誤嚥性肺炎(75歳以上の高齢者の肺炎の約7割が誤嚥性肺炎といわれている)に対しては、国や医師会が「口腔ケアの徹底」と「誤嚥しづらい食形態」の啓発活動を続けている。

サ高住は生活の場であり、「食事」と「生活」は切り離すことができない。食事に関わる誤嚥を防ぐため、どの施設も食事サービスにひと手間を施し、食形態の個別対応を工夫していた。

専門職種の不在

しかし、4割以上の施設が「提供している食形態が入居者に適しているか、不安・疑問」と答えている(図7)。
その背景には、入居者の摂食・嚥下機能と食形態のマッチングを判断できる専門職種が駐在していないことがあるだろう。施設スタッフの多くは介護職員であり、訪問スタッフの中に嚥下機能を観察する"言語聴覚士"や食形態を調整し指導する"管理栄養士"はそれぞれ1割程度しかいない。
マッチングの根拠・判断基準を得られにくい状況だ。

続きはその2
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ニュートリション・ジャーナル
理解なき支援が「溝」を生むVol.03
その1『増えるサ高住、食事の実態は?』
その2『医療・介護連携でファーストトリアージを』
その3『鷲澤尚宏先生に聞く』
その4『よく耳にする゛患者・家族のホンネ”』


「ニュートリションジャーナル」バックナンバー

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