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ナースマガジン号外

【ICN座談会】これからの環境衛生と手荒れ対策について考える

投稿日:2021.09.09

~コロナがもたらした環境・取り組み変化と持続除菌製品の活用の可能性~

この度、ICNJの代表理事である平松玉江先生を座長とし、4名の感染管理認定看護師にご参加いただき、オンラインでの座談会を開催しました。

事前に全国の感染管理に関わる看護師を対象に行ったアンケート調査の結果を踏まえ、コロナ禍の各施設での手荒れ対策および環境衛生の取り組みの現状や、持続除菌製品の活用の可能性を話し合っていただきました。
アンケート調査概要 ■調査内容:手荒れ対策と環境衛生に関する意識・実態について アンケート回収数:214名(回答者属性:感染管理認定看護師93.9%、感染制 御実践看護師5.6%) ※急性期病院58.8%、総合病院21.5%、療養型病院 5.6%など

手荒れ対策編

新型コロナウイルス対応部署の手指消毒剤の使用量が増加

平松: 新型コロナウイルス感染症の影響で手指衛生の意識が向上したという施設が多いようですが、 以前と比べて変化はありましたか?
四宮: 手指衛生の回数は増えましたが、遵守率が上がったというよりも感染を防ぐ必要性からだと思います。 その先のビジョンがないと続かない気もしています。
山根: 昨年の春から手指消毒剤の使用量が2〜3倍に増えたのですが、 コロナ疑似症の患者を受け入れている部署だけが突出しています。 そこで全職員に、 5モーメンツに手指衛生を必ず実施しようと働きかけています。
石井:  病棟ではそれほど変わりはなく、増えたのは医局です。 毎月、 リンクナースに遵守率を観察してもらい、 弱い場面を抽出して取り組むなど今後のアプローチを行っています。

手荒れ対策用の製品を選ぶときのポイント

平松: みなさんの施設では手荒れ対策用の製品を導入されていますか?また、どういった視点で選んでいますか?
四宮: 当院ではバリア製品を10年ほど前から導入しています。 個人的にハンドケア製品を選ぶ場合は、 どのような成分が入っているものがよいかなどを手荒れマニュアルに掲載しています。
山根: 当院は手荒れ対策を考慮して、2種類のアルコール製剤を入れています。ハンドクリームなどの手荒れ対策製品を選ぶ際は、 医療用手袋との相性や、 使いやすさ、 汚染されにくいポンプ式などの形状にも気を配っています。
福岡: 昨年、 低刺激性の手指衛生剤を導入したところ、 手指衛生の回数は確実に増えているにもかかわらず、 手荒れの相談が増えませんでした。 また、 クリームタイプのローションをNICUとGCUに入れていますが、 香りなどが嗜好に合わない、 べたつくなどの理由でほとんど使われてない状況です。
石井: 当院は保護剤を導入しています。 今後、 新しいものを使う場合、 手袋との相性や、塗ってからすぐ作業に移れるかなどを重視したいです。
平松: 当院でもジ ェ ル状のもの、 保湿剤が含まれているもの、 ノンアルコールのものを使用しています。 スタッフの中でも主婦層は家庭で使う洗剤などが原因で手荒れが起こり、 治りにくいことがあります。 今回、 富士フイルムの 「薬用ハンドジェルHA」 は試用してみてどうでしたか?
四宮: 使用感は概ね好評ですが、 常に規定量が出るような形状の携帯タイプがあればというのが現場からの意見です。
山根: ドクターからの反響が大きく、 「すごく馴染みやすい、 これからも使用したい」 と今まであまり手指消毒をしてくれなか った先生も使うようになりました。
福岡: 多職種のスタッフにも意見を聞いたところ、 使用感については非常によかったです。 べたつかず乾きも早くて、 これなら使っていけるかなと感じました。
石井: 各病棟で使ってもらいましたが、匂いがないのがよかったようです。 使用期限が開封後3年間というのも長くていいですね。
平松: 当院では匂いが気になるとの意見もあり…万人に受け入れてもらうのは難しいですね。 べたつきがなく、 抗菌性を保てるのはよいと思いました。
薬用ハンドジェルHA Hydro Ag+技術を応用した医療関係者向けのハンドジェル。 手の「うるおい」と「キレイ」の両方を実現します。発売元:富士フイルム株式会社 製造販売元:メディコス製薬株式会社

環境整備 ・ 環境衛生への取り組み編

コロナ禍における環境整備の取り組み

平松: 環境整備について、 強化したり変えたりしたことはありますか?
四宮: 特に変わらず、 普段通りの環境整備を細かい部分までしっかり行うようにしています。
山根: 清潔不潔の概念が職員に根付いていなかったことがわかり、 反省しました。 上から下に、 奥から手前に拭くといった基本的な教育から行う必要があると感じています。
福岡: 次亜塩素酸ナトリウムのクロスを追加で導入しました。 今年度は全部署のリンクナースと面談をし、 環境整備の見直しを行っていくことを目標に掲げてアクションを行っています。 スタッフ主体で必要以上の物を置かなくなったのは、 大きな進歩でした。
石井: 医師から聴診器やタブレットの消毒方法を聞かれる機会が増えました。 また、 環境整備の手順を再確認し、周知しました。

製品の検討ポイントと持続除菌製品活用の可能性

平松: アルコールクロスやスプレーなどを導入する際、 どのような点を検討しますか?
四宮: 当院は基本的に第4級アンモニウム塩を使用しています。
山根: 一般病床と外来では、 第4級アンモニウム塩とそれに界面活性剤が入ったタイプのものを標準的に使用し、 ノロウイルス対策として次亜塩素酸ナトリウムを希釈して使っています。 また、透析領域にはペルオキソ一硫酸水素カリウム配合の製品、 放射線領域には精密機器への影響が少ないアルコールクロスなど、それぞれの特性に合わせています。
福岡: 当院では安全性と洗浄効果を最優先に考えています。 普段、 広範囲に使っているのは界面活性剤で、 あとは次亜塩素酸ナトリウムです。 ペルオキソー硫酸水素カリウムは、 医療機器の表面を拭くのに利便性 ・ 安全性が高いとの臨床工学技士の意見で採用しました。
石井: 標準的には第4級アンモニウム塩で入念に拭いてから、 アルコール含有クロスで拭いています。 新規採用時は、 費用対効果も考慮します。
平松: 当院は人の出入りが多く、 煩雑になりがちな外来の環境整備が課題だと思っています。 富士フイルムの「Hydro Agアルコールクロス」は試用してみていかがでしたか?
四宮: スタッフの反応はよかったです。 今使用しているクロスよりも小さいという声もありましたが、 机を拭いたらかなり汚れがとれると感じました。
山根: ステンレスのトレイは、 界面活性剤が入っていると油膜が張ってしまいます。 これを使用したらきれいになったと好評でした。
福岡: 昭和大学ではすでに一部で採用されています。80%のアルコールなのでタンパク汚染がなく、 デスク周りや採血台など回転が速く頻回に消毒が必要な場所に適していると思います。
石井: 拭いた後、 すごく早く乾くという意見が約4割ありました。
平松: 以前所属していた施設では調剤台に使用していました。 あとは多剤耐性菌患者の病室の環境整備に使用しています。 富士フイルムの 「Hydro Agアルコールスプレー」 はどうでしたか?
山根: スプレータイプだと空間噴霧をしてしまう人もいるかもしれないので、クロスに染み込ませて拭くのが妥当ではないかという意見がありました。
石井: 私も噴霧ではなくクロスに染み込ませて、 広範囲のものを拭くときに使ったらと考えました。
平松: 以前、 富士フイルムさんと行った共同研究で、 通常のカーテンとこれを噴霧したカーテンの使用後の細菌量を調査したところ、 銀の効果で1か月たっても菌の増殖が抑えられていました。 また、 浴室のタイルなどに噴霧するとカビを抑えることができると実感しています。 これからも優れた製品を取り入れながら、 感染管理に取り組んでいきましょう。 本日はみなさん、 ありがとうございました。

座談会まとめ

コロナ禍において、 医療従事者はもちろん、一般社会においても感染対策に関わる衛生や環境の問題が注目されています。 感染管理認定看護師の基本姿勢は変わりませんが、 これをひとつのきっかけとして、 今行っていることが維持できるよう、 そして次のステップとして何をするべきかという継続的な具体策を見出していく必要があります。 そのためにも、 目的に合った製品を上手に選ぶことが大切です。

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