廣町佐智子先生の看護研究の進め方第20回
データの分析:質的分析1 廣町佐智子先生の看護研究の進め方
投稿日:2012.10.10
Ⅰ.質的分析の特徴
質的分析とは、話し言葉や書き言葉、絵や写真、映画やビデオ、音楽など数量によって客観的に評価することが難しいデータ(質的データ)を分析することです。
分析を行うのは統計ソフトではなく、研究者自身の主観であることも特徴です。
分析を行うのは統計ソフトではなく、研究者自身の主観であることも特徴です。
Ⅱ.質的分析の対象
質的分析は、統計ソフトを使わないという手軽さから、現在、ちょっとしたブームになっています。
しかし、質的分析は手間ひまがかかるので、質問紙調査などで対応できるのなら、わざわざ質的分析の対象にする必要はないでしょう。
質的分析が本当に必要なのは、「相互作用」、「内的体験」、「態度」、「意味付け」など、主観性の高いデータです。
以下に研究例を示しました。
★看護領域で質的研究の対象となる現象と架空の研究例★
しかし、質的分析は手間ひまがかかるので、質問紙調査などで対応できるのなら、わざわざ質的分析の対象にする必要はないでしょう。
質的分析が本当に必要なのは、「相互作用」、「内的体験」、「態度」、「意味付け」など、主観性の高いデータです。
以下に研究例を示しました。
★看護領域で質的研究の対象となる現象と架空の研究例★

Ⅱ.質的分析を構成する共通要素
質的分析には色々な技法がありますが、ここではそれらに共通した要素を説明します。

質的分析では、明らかにしようとしている概念が最初ははっきりしていないのが特徴です。
「よく分からないけれど、どうなっているのか調べたい」というのが最初の動機です。
第5回「研究計画作成①」で示した「探索的研究」というのがまさにこうした動機にもとづく研究なのです。
質的分析では、上の図に示したとおり、最初は調べたい内容にあたると考えられるものをできるだけ収集します。
次に、意味の似ているもののまとまりをつくり、そのまとまりをさらにまとめて抽象化していきます。
そのプロセスで、情報収集が足りないと感じれば、また追加の情報を収集します。
そして最後に抽象化された概念の相互の関係を明らかにします。
最初に収集するデータを研究計画でしっかり決める他の研究法とは異なり、質的分析では、あいまいなところからスタートし、だんだん知りたいことの実態がつかめてきたら、その実態をさらに明確にするための情報収集を追加で行うのです。
まるで、刑事による事件の捜査に似ていますね。
次回はその具体的な方法について解説します。
「よく分からないけれど、どうなっているのか調べたい」というのが最初の動機です。
第5回「研究計画作成①」で示した「探索的研究」というのがまさにこうした動機にもとづく研究なのです。
質的分析では、上の図に示したとおり、最初は調べたい内容にあたると考えられるものをできるだけ収集します。
次に、意味の似ているもののまとまりをつくり、そのまとまりをさらにまとめて抽象化していきます。
そのプロセスで、情報収集が足りないと感じれば、また追加の情報を収集します。
そして最後に抽象化された概念の相互の関係を明らかにします。
最初に収集するデータを研究計画でしっかり決める他の研究法とは異なり、質的分析では、あいまいなところからスタートし、だんだん知りたいことの実態がつかめてきたら、その実態をさらに明確にするための情報収集を追加で行うのです。
まるで、刑事による事件の捜査に似ていますね。
次回はその具体的な方法について解説します。
◆看護研究の進め方◆
<第1回 テーマ決定1>
<第2回 テーマ決定2>
<第3回 関連文献検討1>
<第4回 関連文献検討2>
<第5回 補足資料 『はじめに』の例>
<第6回 質問紙法1>
<第7回 研究計画作成1>
<第8回 研究計画作成2>
<第9回 質問紙法2>
<第10回 面接法1>
<第11回 面接法2>
<第12回:データ収集:観察法①>
<第13回:データの収集:観察法②>
<第14回 データの収集:実験法①>
<第15回 データの収集:実験法2>
<第16回 倫理的配慮1>
<第17回 倫理的配慮2>
<第18回 量的分析1>
<第19回 量的分析2>
<第20回 データの分析:質的分析1>
<第21回 データの収集:質的分析2>
<第22回 論文の作成>
<第2回 テーマ決定2>
<第3回 関連文献検討1>
<第4回 関連文献検討2>
<第5回 補足資料 『はじめに』の例>
<第6回 質問紙法1>
<第7回 研究計画作成1>
<第8回 研究計画作成2>
<第9回 質問紙法2>
<第10回 面接法1>
<第11回 面接法2>
<第12回:データ収集:観察法①>
<第13回:データの収集:観察法②>
<第14回 データの収集:実験法①>
<第15回 データの収集:実験法2>
<第16回 倫理的配慮1>
<第17回 倫理的配慮2>
<第18回 量的分析1>
<第19回 量的分析2>
<第20回 データの分析:質的分析1>
<第21回 データの収集:質的分析2>
<第22回 論文の作成>
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