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ナースマガジン vol.36

【何ぞやシリーズ第29回】呼吸リハを支える栄養療法 ってなんぞや?(COPD編)

栄養管理の現場でよく聞かれるのが「食べているのに体重が増えない」というお悩み。
その原因は多種多様ですが、慢性腎臓病(CKD)患者の体重減少だったら?
基礎疾患の病態を踏まえた栄養管理が必要な「PEW」って何ぞや?

通常の低栄養と異なるPEW

PEW(Protein-energy・wasting ) というのは、2008年に国際腎疾患栄養代謝学会と国際腎臓学会が共同で提唱した「骨格筋や血液中のたんぱく質の減少と、体脂肪の減少で起こる低栄養」のこと。通常の低栄養は経口摂取や経腸栄養剤投与による栄養摂取量が相対的に減ってくることが要因なんだ。

一方、尿毒症や炎症、体たんぱくの異化亢進、栄養摂取量不足などが重なると骨格筋や皮下脂肪の減少が起こる。食べていても筋肉や脂肪の減少が病態的に起こるのが、PEWというわけ。
腎機能が悪い人は炎症も強くて、腎炎や尿毒症にもなりやすいわよね。尿毒症は倦怠感や意識障害の原因にもなるから、食欲や摂取量の低下から低栄養に拍車がかかってしまうのよね。
腎機能が低下しているのに「高齢者で痩せているから高たんぱく食」という短絡的な対応をすると、たんぱく質量に対して腎機能が追いつかずに毒素が溜まってしまう。つまり尿毒症だ。だから徐々に全身の機能が低下してくる高齢者の低栄養対策は、本人の状態とたんぱく質の摂り方の評価が重要になることを覚えておこう。
低栄養は早く気づいて対応する必要があるから、僕たちも外来患者さんの変化に気づかないといけないよね。骨格筋も脂肪も減ると体重が減ってくるし、筋力の低下は動作にも表れるよね。PEWの定義の中にも、体重の減少率は重要視されているよ。
体重減少率が1カ月で2.5%、6カ月で10%以上というのがPEWの指標なので、体重測定をして該当していたら担当医や管理栄養士に助言を求めるようなコミュニケーションを持っていてほしいな。
そうそう、むくみのある人は体液貯留で体重が増えている場合もあるから、どちらも見逃さないようにね。

楽しく美味しい食事で PEWを防ごう

低栄養を防ぐには、やっぱりお食事が大切よね。特にお年寄りは長く生きてきただけの食文化があるし、和食への馴染みもあると思うの。季節感が感じられる旬のものを取り入れたり、栄養量が増える食材への見直し、例えばお肉だったら赤身肉を脂肪分が多いものにしたり、そういう工夫を栄養科ではしているそうよ。
腎臓病食ではリン、カリウムを摂りすぎないように野菜を茹でこぼしたりしてるけど、そういうものって残されがちじゃない?茹でこぼすと食感が悪くなって、くたくたの野菜は好まれないなぁ。食事って栄養量はもちろん大切だけど、美味しくなくちゃね。
たんぱく質はカリウムと結合して血液中を流れるから、相棒であるたんぱく質を減らすという考え方もあるぞ。

君たちも生活指導の中でPEWのことを頭に描きながら患者さんを観察して、医師や栄養士と情報を共有してほしいな。栄養管理は多職種でアプローチしていった方が効率的で効果的だからね。
問題は、食事に関して興味がない患者さんよね。私そういう方にはあえて食事の話から始めないの。この人と話すと面白いな、と思ってもらえるような話題で関係性を作って、栄養や健康の話題につないでいくようにしているわ。
君らは栄養の専門家ではないけれど、患者さんをよく観察して主治医や管理栄養士など、必要なところにつなぐ大切な役割があるんだ。これからもよろしく頼むね。
(つづく)
■監修
東京医科大学病院 栄養管理科 科長 宮澤 靖先生

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