1. ホーム
  2. コラム
  3. 「思いやり除菌」プロジェクト WEBセミナー 学校の感染対策~第6波の振返りとこれからを考える~
聴きある記

「思いやり除菌」プロジェクト WEBセミナー 学校の感染対策~第6波の振返りとこれからを考える~

投稿日:2022.09.12

エリエールを展開する大王製紙株式会社では、賛同する全国の小学校を対象に「思いやり除菌」プロジェクトを2022年3月より開始した。

このプロジェクトは、集団生活をしていて、成人に比べて抵抗力、免疫力が未発達な小学生に着目し、小学校での除菌教育をサポートする活動である。

3月26日には「学校の感染対策」をテーマにした養護教員対象のWEBセミナーが開催・配信された。
講師:公立陶生病院
感染症内科
武藤 義和 先生

新型コロナをはじめとする感染症の現状と最新情報

 新型コロナウイルス感染症は全世界で4億7420万人(3/23現在)が罹患している。オミクロン株はこれまでのデルタ株より重症化率は低く感染力が強い一方、約30%が無症状。このことが感染拡大しやすい原因ともなっている。とくに子供の感染が多く、2月後半からは学校での感染が拡大した。子供の致死率は0.001〜0.02%前後と低いが、家族内感染することにより113万人/年(2020)の子供が保護者を失っている。

学校でできる具体的な感染対策 手指衛生 ・ 環境清掃

 感染症の感染経路には飛沫感染、接触感染、空気感染、媒介物感染があり、感染症により異なる感染経路を知ることが大切。新型コロナウイルス感染症はインフルエンザウイルスに比べ皮膚の上での生存期間が長いが(最長8時間) 、アルコール消毒により不活化する。学校では教室の換気を徹底し、接触感染対策を中心に行う。子供は無意識に1日30回ほど顔を触っているため、こまめに正しく手を洗うことが大切。とくに皆が触るもの(ドアノブ、手すり、水道など)を触った後の手洗いを意識すること。合わせて多人数が触れるものはアルコールなどによる消毒を行う。

二次感染を防ぐためにできること

 治せる病気の感染対策は「感染しない」ではなく「感染を拡げない」こと(図1) 。そのためには、

①個人の感染対策:個人個人が感染者であるリスクを下げる

②集団の感染対策スクを下げる:集団に感染者が入ってもクラスターを作らない

この2つの対策が重要である。

 検査時に陰性であっても100%安心できるわけではなく、検査の目的は感染を広げないことにあるので、なんらかの症状が出たら学校は休むのが鉄則。家族に症状があれば、とくに注意をして生活する(7〜10日間程度は意識する) 。

 新型コロナウイルス感染症以外にも多くの接触感染で広がる感染症がある。二次感染を防ぐことに留意したい。

大切な人を 「感染させない」

 新型コロナウイルス感染症は家庭や学校など、人が多く集まる場所での感染対策となる。従って「感染しない」よりも「感染を拡げない」ことが重要。そのことが結果として、自分や友達、先生、家族、皆を守ることにつながる。基本的な感染対策は、大切な人を「感染させない」という思いやりをもって積極的に継続していくことが望まれる。

質疑応答

Q.学校での歯磨き、うがいは行っても大丈夫か?
A.時間・空間をあけて感染予防に配慮して行えば問題ないと考える。
Q.学校で行う感染対策で最低限押さえておくことはなにか?
A.大切なことは100点の対策ではなく60点でもよいので継続すること。
Q.低学年は感染対策の意識を持たせることがむずかしいが、どうすればよいのか。
A.感染対策は自分や友達、家族を守ることになるなど、なぜ感染対策をやるのかを教えることが大切。
Q.給食時はマスクを外すが、注意すべき点は?
A.食べるときは外しても、会話のときはマスクを正しくつけるなど、めりはりをつける。
※本セミナーは新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府及び各都道府県、自治体から発表されている内容になります(2022年3月時点)

このコンテンツをご覧いただくにはログインが必要です。

会員登録(無料)がお済みでない方は、新規会員登録をお願いします。



他の方が見ているコラム