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西山順博先生に訊きました

『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第29回 健康維持に欠かせないビタミン⑦ ビオチン

西山順博先生に訊きました『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第29回

健康維持に欠かせないビタミン⑦ ビオチン

ビオチンはビタミンB群の一つで、ビタミンB7、ビタミンHと呼ばれたこともあります。現在ではビオチンと呼ばれるのが一般的です。

酵母が増殖する際に必要な因子として発見されましたが、皮膚や粘膜維持にも深くかかわっており、欠乏症には注意する必要があります。

ビオチンとは

ビオチンは、熱、光、酸に対しては安定、アルカリに対しては不安定な、水やアルコールに溶けやすい水溶性ビタミンです。ビオチンそのものが合成できるのはバクテリア、酵母、カビなどに限られており、生体内ではたんぱく質と結合して存在しています。

消化の過程でたんぱく質が分解されるとビオチンが遊離し、主に空腸から吸収され、腸内細菌によって合成されると細胞内のミトコンドリアで蓄積されます。過剰に摂取しても尿として排出されやすいため、健康障害が発現したという報告はありません。

■ビオチンのはたらき

ピルビン酸カルボキシラーゼ(糖代謝に関与)、アセチルCoAカルボキシラーゼやプロピオニルCoAカルボキシラーゼ(脂肪酸代謝に関与)、3-メチルクロトノイルCoAカルボキシラーゼ(アミノ酸の代謝に関与)の補酵素として、エネルギーの生成に関与しています。また、皮膚、粘膜、爪、髪を健康な状態に保ったり、抗炎症性物質を生成しアレルギー症状を緩和する働きもあるとされています。

■ビオチンの欠乏症

極端な偏食がなく通常の食事をしていれば、不足することはないと考えられていますが、なんらかの原因によって不足すると、さまざまな症状が現れます。ビオチンの不足はたんぱく質の合成や免疫機能の低下を招き、皮膚の形成にも影響を与え、乳幼児のアトピー性皮膚炎を発症させているのではないかと言われています。

原 因

●先天的な酵素機能の不足
●腸内細菌叢の変化
●特定の薬剤の長期服用(抗生物質・睡眠薬など)

【乳幼児の場合】
●ビオチンの産生能、吸収能が未熟
●主な栄養源が粉ミルクの場合(日本ではビオチンが食品添加物として認定されていないため、成分として含有されていない)

症 状

●乳酸アシドーシス
●免疫不全症(リウマチ・シェーグレン症候群・クローン病など)
●1型糖尿病、2型糖尿病への関与
●皮膚症状(アトピー性皮膚炎・脱毛など)
●消化器症状(食欲不振・むかつき・吐き気など)
●萎縮性舌炎
●憂鬱感
など

ビオチンを上手に摂取 しよう!

ビオチンは、肉類、魚介類、卵類、キノコ類、種実類など、日常的な食材に多く含まれていますが、気をつけたいのは生卵です。
生卵は卵白に含まれるアビジンという物質がビオチンと結合すると吸収能が低下し、多量に摂ると欠乏することがあります。 しかし、加熱された卵ではアビジンが変性し、吸収能の低下が抑制されます。豚・鶏の肝臓は量が少なくてもビオチンを多く含みます。実際に摂取する目安量をもとに含有量を考えるようにするとよいでしょう。
ビタミンB2を摂取しよう
1)「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書 (mhlw.go.jp) 
2)キーワードでわかる臨床栄養 編集:岡田晋吾 羊土社 
3)ビオチンの多い食品・食べ物と含有量一覧 (vitamine.jp)

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