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専門家Q&A

なかなか治らな仙骨部の褥瘡について

ご質問

訪問看護師です。 心不全,糖尿病,低栄養の70代の女性です。全身浮腫著明でしたが,現在落ち着いています。 ADLは,ほとんど臥床状態で排泄時のみ10回/日家族の軽介助でトイレ歩行しています。
リハビリパンツ使用していますが漏れは,ほとんどありません。
マトレスは,中央部分のみエアマトレスでサイドは堅めのを使用しています。
2ヶ月前より仙骨部に発赤認めました。(圧迫にて白く戻ります)在宅医指示でアズノール塗布していますがなかなか改善せず,フィルムも試しましたがよれてしまいアズノール処置に戻っています。
家族にて体交も実施してますがなかなか治らず,表皮剥離も認めるようになりました。
中央のエアマトレス部分は,一番柔らかく設定しています。
端坐位を食事毎摂るため,(介助にて起こす)サイドの堅い部分当たり摩擦や圧迫の可能性ありです。
このような利用者さんへの適切な処置方法を教えていただきたくメールしました。
又,ベッドを楽勝Zに変更し,起こす時間は端坐位でなく,背上げ状態で経過してもらい,マトレスを全体がエアマトレスタイプに変更するのはどうかと考えています。
ご意見聞かせていただけますか?

専門家の見解

もともとどのような疾患があるかがわからないのですが、削った後の部分が触れただけで出血してしまうというのが気になります。鶏眼ではなく、ウイルス性疣贅(いわゆるイボ)の可能性はないでしょうか。もしまだでしたら、皮膚科受診をしてみたらいいかもしれません。疣贅でしたら、削ると周囲に感染して広がってしまう可能性がありまず、現状のADLをできるだけ維持しながら、体圧分散やずれ対策を行う必要がありそうです。

「楽勝Z」への切り替えについては、ベッドから立ち上がりやすいという点では、トイレ歩行をスムーズにできそうでお勧めできます。しかし、せっかく今現在、端座位でお食事を取れているのであれば、ベッドの背上げ姿勢へ変更するのはお勧めできません。ベッド上での背上げ姿勢は、少なからず”ずれ”を生じます。私は、端座位が取れる方にはベッドでの背上げ姿勢をできるだけとらないようにしてもらっています。

そして、安定した座位姿勢が取れる専用のいす(車椅子ではないもの)に、座面用クッションを併用します。座位がとれるのでしたら、ぜひベッド上ではなく、いすでのお食事をサポートしてください。可能であれば理学療法士に介入していただくのも効果的と思われます。その際には、仙骨部に褥瘡があることを共有してリハビリ内容を決定してください。

そして仙骨部の褥瘡であれば、臥床時の体圧分散の調整が必要と思われます。マットレスの製品名がわからないのでなんともいえませんが、高機能でも比較的安定感のあるマットレス(フィール/モルテン、アルファプラ・SORA/タイカなど)がよいと思われます。そして、マットレスの機能を損なわないシーツを選択することも、ズレ対策には有効です。

さらに、体位変換時の摩擦、影響している可能性がありますので、ポジショニンググローブ(ハーティグローブなど)を活用して、背抜きや体位変換時の摩擦を予防してみてください。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
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