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ナースマガジン vol.47

【何ぞやシリーズ第41回】便秘ってなんぞや?

投稿日:2024.06.13

糖尿病スティグマとアドボカシー活動って何ぞや
便通異常症診療ガイドライン2023が改訂され、便秘症とは「便秘が日常生活に支障をきたしているもの」とされています。しかし、具体的にどのような状態を指すのでしょうか?いまさら聞けない便秘の定義を解説していきます。そもそも便秘って何ぞや?
便秘って何ぞや
作画 : 上田みう   制作 : マンガエッグ・エンターテイメント

3日出ないと便秘 ⁉改めて確認したい便秘の定義

今回改訂された便通異常症診療ガイドラインでは「便秘」と「慢性便秘症」2つの病態が考慮され、新たに以下のように定義されたんだ。まずはその内容を確認してみよう。

【便秘】

本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによりる兎糞状便・硬便、 排便回数の減少や、 糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責、残便感、直腸肛門の閉塞感、 排便困難感を認める状態 (下線部が排便回数減少型に該当)

【慢性便秘症】

慢性的に続く便秘のために日常生活に支障をきたしたり、 身体にも種々の支障をきたしうる病態


便秘は「状態名」であり、(慢性)便秘症は「疾患名」であることから、 「便秘のために日常生活に支障をきたしているものが便秘症(疾患)」だと言えるんだ。
定義の中では日数について記載されていないね。日常生活にどれだけ支障が出ているかが重要だとは知らなかったよ。
その患者さんがもともとどんな排便パターンで生活しているのか、排便にどの程度困っているのかを確認する必要があるわ。

問われる看護師のアセスメント力

具体的にどうやって確認したら良いの?
排便に関する問診表があるんだけど、実際全部を聞いていくのは難しいからどういう性状の便なのか、患者さんは排便がつらそうなのか、薬に固執しているかなどを主にヒアリングすることが大事。患者さんとの橋渡しをするのは看護師だから、排便についてどのように情報収集・アセスメントし、どのような介入が必要なのか、もしくは今までの介入方法を改める必要があるのかを医師と共に考えることが求められているんだ。普段は便秘じゃなくても、疾患や内服薬、精神的影響、入院という環境の変化で便秘になることもあるから、看護師の情報収集とアセスメント次第で今後の排便ケアが左右されるとも言えるんじゃ。
患者さん自身も排便状況を振り返ることができそうだよ。
便が「出ている」としても、時間をかけて出たコロコロ便なのか、スルッと出たバナナ便なのか、便の性状や排便までにかかる時間によって評価は異なるわね。患者さんがどれくらい困っているのかも大事な指標になるから、患者さんの一番近くにいる私たちがしっかり把握していくことが必要だわ。なぜ便秘になるのかに目を向けて患者さんの主観的・客観的な情報から生活環境や食生活にも目を向けて解消への糸口を
探っていくことも大切ね。でも何をゴールにすればいいのかしら?
目指す便はブリストル便形状スケールの「4」だよ。週1回でも週3回でも、この形の排便があればその人にとっては便秘ではない、と言えるんだ。
これなら患者さんとも多職種とも共通理解できてわかりやすいね。

QOLを考えた排便ケアのあり方

正しい便秘の定義を理解した僕たちは、患者さんにどのような排便ケアをすることが望ましいんだろう?
1つの目安になるのは「患者さんの生活が快適か」を考えることだ。排便に関する情報収集やアセスメントなしに、やみくもに毎日座薬を使ったり、週に1回摘便などで排便することが果たしてその患者さんにとって幸せなことなのかを考えてみてほしい。一度立ち止まって今実施しているケアを考え直し、変えていくきっかけにしてみてはどうだろう。
確かに今までは定期的に下剤を使って水様便であっても出ていればよしとしていたけれど、これからはその患者さんに合った看護ケアを実践してバナナ便を目指すぞ!
日々「排便させる」ことばかり意識してしまいがちだけれど、患者さんが快適かまで考えられていなかったわ。「3日出ないから浣腸する」「木曜日だから摘便」という看護師主導の強制的な排便ケアではなく、患者さん本意で進めることでQOLを高めていきたいわね。それが患者さんの快適な生活にもつながるわよね。
(つづく)
監修:公益財団法人 北海道対がん協会 札幌がん検診センター 内科部長 津田 桃子 先生
参考文献:日本消化管学会 編集:便通異常症診療ガイドライン2023慢性便秘症、南江堂、2023

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